ちなみにスタイナーも慶應大學に招かれて來日し、加藤周一らと喧嘩をして歸つて行つたさうな
posted at 04:37:51
戰後に再び來日した時には日本の研究者相手に和やかに話をしたやうだが、著作では一貫して嚴しい姿勢をとつてゐる。
posted at 04:34:00
續けて日本人に大分きつい事を言つてゐるが、興味のある人は探して讀んでいただきたい。
posted at 04:32:30
云々
posted at 04:31:08
レーヴィット續けて曰、「本當のところ、彼等はあるがままの自分を愛してゐる。[キリスト教的]認識の木の實をまだ食べてゐないので、純潔さを喪失してゐない。人間を自分の中から取り出し、人間を自分に對して批判的にするあの喪失を嘗めてゐないのである。」
posted at 04:28:33
「そしてヨーロッパ人の教師は、これで二階と階下を往き來する梯子は何處にあるのだらうかと、疑問に思ふ。」
posted at 04:26:44
『ヨーロッパのニヒリズム』「日本の讀者に與へる跋」で日本人の研究者を批判して「二階建の家に住んでゐるやうなもので、階下では日本的に考へたり感じたりするし、二階にはプラトンからハイデッガーに至るまでのヨーロッパの學問が紐に通したやうに並べてある。」と書いたのが有名。
posted at 04:25:38
大東亞戰爭が間近に逼つて日本にゐられなくなり、何とかアメリカへ渡つた。
posted at 04:20:42
レーヴィットは九鬼周造らの努力で日本に招聘されて、東北大學で教へた。主張な著作は大體飜譯されてゐる。
posted at 04:19:54
日本のファシストの人はレーヴィットなんて洟も引掛けないだらうけど
posted at 04:19:03
で、レーヴィットの本、やつぱり難解で、さつぱりわからない。
posted at 04:18:25
レーヴィットにはニーチェについての論文もある。
posted at 04:17:29
ヘーゲルからハイデガーへ―レーヴィット 現象学的存在論 | カール レーヴィット, Karl L¨owith, 村岡 晋一, 平田 裕之, 瀬嶋 貞徳 | 本 | Amazon.co.jp www.amazon.co.jp/dp/4878933771
posted at 04:16:54
※と言ふか飜譯が大分怪しく、意味のとれない・わかりにくいところがいつぱいあつた。注意が必要。
posted at 04:15:39
※レビューで「訳は日本語として読みやすく」なんて書いてゐる人がゐるけど、實際にはあちこちをかしい。
posted at 04:15:02
ナチズムと私の生活―仙台からの告発 (叢書・ウニベルシタス) | カール レーヴィット, 秋間 実 | 本 | Amazon.co.jp www.amazon.co.jp/dp/4588003259
posted at 04:14:22
ハイデガーの一番弟子に當るカール・レーヴィットはユダヤ人で、ナチに逐はれてイタリア、日本、そしてアメリカへと逃亡を重ねたのだが、『ナチズムと私の生活』で日本に至るまでの經緯を囘想して書いてゐる。
posted at 04:14:07
思想好きの右翼でも結局この邊は「行動」に飛びついてしまつてスルーしてゐるのでないか。
posted at 04:10:20
日本のファシストの人がハイデガーまで理解して話をしたり行動したりしてゐるとはとても思へない。
posted at 04:09:25
ハイデガーとナチズムの關係について隨分深く切り込んでゐるのだが、正直、さつぱりわからないので、途中まで讀んで挫折した。
posted at 04:08:59
マルティン・ハイデガー (岩波現代文庫) | ジョージ スタイナー, George Steiner, 生松 敬三 | 本 | Amazon.co.jp www.amazon.co.jp/dp/4006000278
posted at 04:07:06
このスタイナーが、ナチズムと深い因縁を持つハイデガーについて、解説書を書いてゐる。
posted at 04:06:00
スタイナーはユダヤ人で、ナチスに逐はれて亡命したのだが、小説を書いてヒットラーに「辯明」をさせ、ユダヤ人の「惡行」を列擧してゐる。
posted at 04:04:28
ジョージ・スタイナー『サン・クリストバルへのA.H.の移送』 homepage3.nifty.com/okadash/getsuy…
posted at 04:03:18
ヒットラー或はナチスがユダヤ人を憎んだ背景にも、キリスト教社會の價値觀がはつきり看て取れる。
posted at 04:00:21
が、D.H.ロレンスにしてもニーチェにしてもマルクスにしても、その近代批判のやり方は全てキリスト教の裏返しなのであつて、見方を變へればキリスト教に極めて忠實であると言つて良い。
posted at 03:59:16
俺はT.S.エリオットをやつたから、キリスト教による近代批判と云ふ方法は馴染みがある。
posted at 03:58:32
西歐でも西歐文明・近代文明からはキリスト教的性格が拔け落ちつゝあり、そこでキリスト教の方法・發想が「反近代の思想」「超近代の思想」として改めて登場してくる事になつたわけである。
posted at 03:56:08
それで日本人はキリスト教拔きの西歐文明と云ふものを受容れる事が出來たわけだ。
posted at 03:55:12
繰返し言ふけれども、キリスト教の神樣拔きでも、その邊、説明はつくし、何でもさうした普遍的な理窟がついてゐるから、西歐の近代文明には普遍的な性格が存在する、つて事になつてゐる。
posted at 03:54:54
キリスト教的に言へば、弱者が作られたのも神の考へがあつたからなのであり、人間の考へる事に絶對の正しさがあり得ない以上、多數意見であつても正しいとは限らず、少數意見であつても誤とは言切れないのだ、と云ふ事になる。
posted at 03:52:58
もちろん、「合理的」な説明は幾らでもつけられるのだが、人權の概念がヨーロッパ由來の近代思想に基いてゐる以上、キリスト教による思想的な裏打ちがありさうなのである。
posted at 03:50:17
ところで、弱者や少數意見に「存在意義を認める」背景を考へると、そこにはキリスト教の影が何うしてもちらつくのである。
posted at 03:48:37
日本人は、儒教や佛教の教へによつて弱者に同情する事は知つてゐたが、近代化を經て、初めて弱者に<人權>を認めるやうになつた。
posted at 03:47:38
江戸時代なんかに少數意見を尊重したり、片端に人權を認めたりする發想はなかつた。
posted at 03:46:31
少數の人・弱者の人にも、存在意義を認める、と云ふのは、西歐で發達した民主主義の方法・考へ方に屬する。我々日本人は民主主義その他の思想を西歐から學んだから、今、少數意見を尊重し、「障害者」にも人權を認めてゐる。
posted at 03:46:12
ところで「諦める」のは、「效率」を理由に言立て、合理的に見せかけても、結局のところ前近代的發想なのである。
posted at 03:44:09
が、技術的に解決出來ないほどの「障害」を持つ人を、「效率」の觀點から「切り捨てよ」と言ふのが「優生學」であり、それはそれで「合理的」な發想ではある。これは近代の方法が不完全であるのを、「諦める」と云ふ方法でばつさり解決しようと言ふものだ。
posted at 03:43:35
弱者である人々(所謂障害者)にも不自由させまいと現代の人間は考へるのであり、技術的に解決する事を考へる。それが現代の合理主義と云ふものだ。
posted at 03:41:29
「軍國主義の反省としての平和主義」は、所詮政治的な解決に過ぎず、思想的な解決にはなつてゐない。
posted at 03:29:06
しかしながら、我々が依然、非人間的で無味乾燥の近代社會・近代文明に生きてゐる以上は、近代批判を續けて行かなければならない。
posted at 03:27:53
「反近代の思想」「超近代の思想」は全て、21世紀の人間にとつて、經驗的に、「危險思想」と看做され・無視されるやうになつてゐる。
posted at 03:26:39
と言ふより、近代社會のありやう・近代文明のありやうを批判して出現した「反近代の思想」は、悉く、失敗に終り、解決を齎してゐない。
posted at 03:25:20
正しくない解決法が示された問題を、解決法が正しくなかつた、と言つて最早「問題にしない」のは、問題を問題のまゝ殘す事でしかない。
posted at 03:23:12
近代の人間が近代の社會に絶望して、何らかの解決を求めた――ナチスは人々に「突破口」を示したやうに見えた。それがナチスの伸長を招いた原因の一つだ。その「突破口」は正しい解決法ではなかつたと判明した。
posted at 03:22:21
多大なる魅力を持つたナチズムが、多大なる災厄を齎した、とすれば、それは思想的な「需要」にナチズムが正しい「供給」を行なへなかつた、と云ふ事で、ナチズムには失敗の側面があるわけだが、失敗した、と云ふ事でナチズムを罵るだけでは、ナチズムに期待した人々の「需要」は殘る。
posted at 03:20:20
結果としてナチズムが人間性を否定した事にのみ着目して、人間性の恢復を主張してゐた、と云ふ面を無視し、ひたすらナチズムを罵つてゐるだけでは、ナチズムの魅力に再びとりつかれる人間が出て來るのは必然とすら言へる。
posted at 03:18:26
ナチズムが生の哲學としての一面を持ち、機械化され・非人間化された近代社會で、人間性の恢復を謳つた事、それを多くの人が熱狂的に支持した事――にもかかはらず、酷い人間性の否定に終つた事。
posted at 03:17:08
ファシズムやナチズムが如何なる魅力を持つてゐたのか、如何にして支持を得たのか――その邊の冷靜な觀察と分析が必要だ。
posted at 03:15:51
現在、ファシズム・ナチズムに反對する人々が、ファシズム・ナチズムを熱狂的に罵つてゐるのが、甚だ危ふく見える。
posted at 03:15:14